北米版のアニメのように勝手に改変されたりということはなく、原作に忠実に翻訳しているつもりらしいのであるが、驚くべき点がいくつかある。
- 仏語版コミックにクリンという名前が登場する(プッペの間違い)
- 仏語版コミックにセーラームーンの話が浮上する(時代的にあり得ない)
問題点だけ書いてしまうと仰天する内容なのだが、それほど深刻な話ではなく、単なる誤訳と意訳である。
まず、1.は、アルバートさんがロンドンの動物園で働いていることを聞いたキャンディが言う台詞、
- 日本語版コミック「じゃあプッペもそこにいるのね」
- 仏語版での誤訳「じゃあクリン(フランス語版ではカプサン)もそこにいるのね」
と言う具合だ。後者のセーラームーンの話は、後半、看護婦(看護師)になってから、病院で子供たちに絵本を読んであげようとして、その子供が「セーラームーンを読んで!」(台詞まであったか、本の表紙にセーラームーンと書いてあっただけなのか失念)と言うシーンがあるのである。
これらは実は大したことは無いのであるが、ほかにも登場人物の台詞が入れ替わったり、勝手に変えられたりしてしまっていて、問題のある箇所は一冊につき数ヶ所は見受けられる。上の誤訳でわかるように、翻訳者は少なくとアニメ版に精通しているようであるが、日本語の能力はそれほどでもないことは確かである。台詞の意味が分からなくなると勝手に想像して書いてしまっているようだ。まあ、アメリカ合衆国での検閲と改変に比べれば、かわいいものである。
北米版での日本アニメの検閲と改変は、Save our Soldiers(SOS)というサイトが詳しい。