ペリーヌ物語の解説や感想ブログは怒涛の多さであるが、アニメがフランス未放映の原因として、どなたかのブログで「現地取材を行わなかったせいで、背景の描写がまずく、それでフランス人に嫌われたのでは？」と言う個人的意見が独り歩きしてしまい、いまや、wikiにまで登場して公式化してしまっている。
最近、Ciaoと言うサイトで、Avis sur En Famille - Hector Malot "En Famille : un roman à découvrir !"（jacquesherveさん）と言う記事を見つけた。そこで、ペリーヌ物語に関しての記述があって、
La série animée
Notons qu'il existe une série japonaise de 53 épisodes méconnue en France et qui ne fut jamais diffusée dans nos contrées : Perrine Monagatory parue chez Nippon Animation (société réputée pour les adaptations de romans) en 1978. La série fut toutefois diffusée en Italie en 1980.
Malheureusement ,face à l'idée reçue de l'opinion publique en France vis à vis des séries produites au Japon (séries japonaises = violence), la série ne fut jamais diffusée chez nous malgré les qualités présentes et la présence de personnages attachants, ce que je considère comme une injustice.Pourtant, ayant eu l'occasion de suivre quelques épisodes lors de mon séjour en Italie, il n'y a aucune raison de ne pas la programmer d'autant plus qu'il existe de très bons comédiens de doublages chez nous dont Barbara Tissier (Princesse Sarah) ou Thierry Bourdon (Térence Ranchester（ママ） dans Candy-Candy)
とある。ちょうど、日本のアニメがフランスに輸出され過ぎ、暴力的だとあの、セゴレーヌ・ロワイヤル婆に騒がれ、締め出された時期である。一見、そういうことだったか、と思ったが、しかし、ペリーヌはキャンディ・キャンディとほぼ同時期に日本で放映されており、後者は無事にフランスに輸出され（1978、A2)、大反響を呼んでいる。その後、ラセーヌの星（La Tulipe Noir、1989年７月〜、チャンネルLa Cinq）や、魔法のマコちゃん（Makko、1989、TF1）は無事に輸出されているので、単に、東映動画のエージェンシーが交渉術に長けていて（何十年も前のマコちゃんを引っ張り出して輸出したのは驚き）、一方、日本アニメーション社の売り込みが極端に下手だっただけなのではないだろうか？ ペリーヌの絵も地味だし。
ちなみにドイツ語版は、フランダースの犬もペリーヌも、ラ・セーヌ（Stern von der Seine）も全て揃っている。ただ、独語版ではビルフランが言いつけに背いて部屋に入ってきたオーレリー（ペリーヌ）を杖で打ちつけようとするシーンがカットされているそうなので、これが、フランスでの交渉で、婆さん（が交渉に出て来るわけはないけれど）か、関係者の気に障ったのかも知れない。まあ、日本人的には、ビルフランは絶対にぶたない、と言う予定調和が最初から脳内に出来ているので心配することなく観られるのだが、、、、。
（後記）2022記
結局、エクトル・マローのen Famille（家なき娘）は、日本人が思う以上に、フランス国民の宝であり、心の拠り所であったから、と言う気がして来た。
アニメの「ハイジ」もスイスでは放映されていない。これについてはスイス人のどなたかが、「いくら出来が良くとも、もし、スイス製の、サムライの時代劇があったら、日本で受け入れられますか？」と言うようなことをおっしゃっていたのを聞いた。
▽（後記）実写版、ペリーヌ物語
quiver.hatenablog.com
