quiverの日記

アニメ、漫画、音楽

フランスの家なき娘(ペリーヌ物語)の母親は活躍しない

パトゥーンの実写版ペリーヌ物語(en famille)のブックレットを入手した。やはり、この1966年に制作された番組の雰囲気を、日本のアニメは確かに参考にしていると思った(ラ・ルクリやヴュルフランの風貌)。しかし両者には決定的に違うところがあった。

日本アニメのペリーヌ物語は、ペリーヌが母親の遺言に従って行動し、祖父の愛情を勝ち取る話であった。母親マリは前半では準主役の扱いであり、後半でもペリーヌの回想の中に頻繁に登場する。

しかし、フランス版テレビドラマのen familleではマリは、あくまでかわいそうなお母さんと言う扱いであり、ペリーヌに何ら影響を及ぼさない。ペリーヌは父の思い出を胸に、父の生まれ故郷にたどり着き、自分の意思で祖父に近づいて行く。特に驚いたのは、ペリーヌは母親を看取らないし、遺言を直接聞くこともないのだ。マリの最期の言葉は「侯爵夫人」(街の歌唄い)を通してペリーヌに告げられる。

ああびっくりした。
(注 マロの原作ではペリーヌは母の最期を看取っている)。

(後記)2021/6/20、実写版について追記