quiverの日記

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キャンディキャンディ(manga仏語版)、アーチーの往生際の悪さ

「キャンディキャンディ」をコーンウェル兄弟がキャンディに振られる話、と捉えると、どうしようもなく憂鬱でやるせない話になる。第六巻、シカゴでの「リア王」上演後のパーティで、アーチーとアニーとステアを見つけたテリーは、ステアに駆け寄り、キャンディが今どこに居るのか聞く。しかし、アーチ―はそれを止めようとして、

Esc-ce qu'elle est toujours a Londres?
《Arrete, Alistair! Tu n'as pas besoin de repondre a un macho comme lui!》
Dis-le-moi!

テリーはアーチーに掴みかかって聞き出そうとする。それを見ていたアニーは泣きながら、

Tu sais, Terry, Candy était tellment contente de te revoir. Elle le voulait tellment.

キャンディはテリーにとてもあいたがっていた、と伝える。"contente"は誤訳だと思う。これでは「逢えて嬉しかった」だと思う。
なぜ、アニーが泣き出したかは、数十年前に初めて読んだときはもちろん、大人になってからも今までずっとわからなかった。最近、アーチーとステアのあきらめの悪さが、原作ではしっかりと描写されていることに気が付いて、ようやくわかった。

自分の恋人だと思い込んでいたアーチーの頭の中が、実はキャンディで一杯だったことを目の当たりにして、アニーは泣き出したのである。

わかるのに30年以上かかった。