quiverの日記

アニメ、漫画、音楽

うる星やつら「美しい旅立ち」

うる星やつら第4巻7話に、あたるがイモムシを育てる話がある。昆虫クラブから蝶にして売ると金になると聞いたあたるがちょっとおかしなのを一匹譲り受け、「イモちゃん」と名付けて育てると言う話。件のいも虫は雑食性で生徒の弁当を喰い廻りどんどん巨大化し、皆に気味悪がられ、面堂に駆除されそうになるのを、ラムとあたるが必死にかくまい、最後は、美しい蝶の妖精に脱皮して「美しい旅立ち」をすると言うファンタジーである。
次の回「君去りし後」が、ラムがパスポートの書き換えでしばらく地球を留守にする間、あたる君が悲嘆にくれて泣きじゃくる話なので、この「美しい旅立ち」は、二人の価値観の共有を確認するために書かれたのだろう、と思っていた。のであるが、、、。

最近、ウェザーニュースと言うサイトで、常世の神(とこよのかみ)と言う、7世紀に現れた新興宗教の話が日本書記に書かれていることを読んだ。Wikiによれば、七世紀頃東国で、常世神(アゲハ蝶の幼虫らしい)を祀れば、貧者は富を得、老人は若返る、と触れ回った人がいたらしい。さらに人々に財産を棄てさせ酒や食物を道端に並べ「新しい富が入って来たぞ」と唱えさせた。まさに現代でもありそうな、マズイ系の新興宗教である。だがこれに対し、当時「山城国の豪族・秦河勝は、民が惑わされるのを憎み、討伐した」とされている。

まさに、うる星やつら「美しい旅立ち」の話ではないか。もちろん、マンガでは、いもちゃんは面堂君によって討伐されることなく、あたるとラムに護られ、美しい妖精へと羽化し、無事に妖精の国へと帰って行く。高橋先生が常世の国を知らぬはずがない、と思うのだが、、、。