quiverの日記

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うる星やつらを読み返して。ランと竜之介のキス

うる星やつらを読み返した。オリジナル第18巻の7~11話はミス友引コンテストである。
「顔で女を評価するなんて最低よ~!」と女子生徒に非難された校長が、「それは誤解です。美貌、知性、健全な精神、そして力と技。これらすべてをかねそなえた女性こそ!! ミス友引と呼ぶにふさわしい!!」と熱く語って始められたミス友引コンテスト。『おお、校長が、校長が燃えている!』の台詞が懐かしい。

このミス友引コンテストは、予備選、本選、水着審査、戦う女たち、結果発表、と五部構成であり、今回、何十年かぶりにゆっくり読み返してみて、ドタバタ劇の裏に、ある、衝撃的なシーンを発見した。
それは、蘭(ランちゃん)のキスである。彼女はキスをした相手から若さを吸い取る魔力がある。さてこの蘭なる娘はちょっとと言うかかなりずる賢く、「水着審査」で行われる審査が参加女性同士による格闘技、と勘違いしたために、自分が勝つために他の女性の若さを吸い取ろうと考える。突然、「祝福のキスよ!」とかいいつつ、無理やりキスをして若さを吸い取って行く。蘭にキスされてしまう順番は、

  1. 竜之介
  2. しのぶ
  3. さくら

である。その際、竜之介とキスするときだけ、蘭本人は目を閉じてうっとりしているのだ。対しのぶと対さくらのときは、開眼したままである。
次回、と言うか翌週話「戦う女たち」にて、その格闘技が猛獣との対決であることが分かると、蘭は慌てて再びキスをして、今度は若さを返して行く。今度の順番は、

  1. 大蛇に巻き付かれたさくら
  2. (次週の結果発表回)熊にのしかかられたしのぶ
  3. そして、竜之介とは他の女子生徒の邪魔が入るものの、ラムが大蛇を二人に巻き付けてキスさせる。

ここでも、竜之介とのキスシーンだけ異なる。他の二人とでは、目をカッと見開いたままであるが、竜之介とのときだけ、目を閉じている。そして周りの女子生徒の衆目のなか「キャー、ひどーい、やだー」と言われつつ、若さを返すのだが、キスし終わったあとがすごい。何と蘭ちゃん、うっとりしているのだ。
 

高橋留美子先生の名言で「漫画は子供が見るもの」と言うのがある。最初、この意味が全く分からなかったのであるが、今回、初めて分かった。
子供が見ても、それなりに楽しめて面白いようにする、と言うことだったのだ。
確かに、この回「ミス友引コンテスト」は、ドタバタ劇が続き、ラムの毒舌も全くなく、はっきり言って「子供っぽい」。
上記の蘭ちゃんのキス表情、に気が付いて、ようやく、大人が読んでも面白いことに気が付いた。