quiverの日記

アニメ、漫画、音楽

法政騒動

内田百間(百けん)の小説を読んでいると、よく登場するのが「法政騒動」であるが、なぜ、百閒(栄造)が巻き込まれたのか、なぜ森田草平に遺恨を持つようになったのかさっぱりわからなかった。
それが、最近、法政大のリポジトリに掲載されている。
《研究ノート》昭和八、九年の「法政騒動」(宮永孝 著 - 2013)
を読んで氷解した。

理由は、一言で言うと、法政出身者にとって内田百間は、東大卒を気取って、いい加減に講義をし、旨いものばかり食い、研究などせずに遊びまわっていたように見えたらしい。いやはや。
上記のノートをちょっと引用させて貰うと、

この教師はいつも黒い洋服を着、白い手袋をし、細身の竹のステッキをたずさえていた。昼食の時間になり、他の教師らがうどんやカレーライスを食べているとき、いつでもきまって吸物つきの料理をよそから取って食べていた。毎年、外国語の夏季講習会がさいごの日になると、語学教師らと銀座あたりで食事をし、バーまわりなどをして、たいへんごきげんであった。

確かに嫌味たっぷりな振る舞いであったろう。しかしである。これは百間自身が自ら小説に書いていることそのままなのである。とってもおかしいと言うか、悲喜劇と言うか。


法政と言えば、N研所長のY先生はお元気にされているだろうか。