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佐伯先生ご登場!

産経新聞 日曜版6/11(新聞に喝!)「変わる英王室 多面的な報道に期待」に久々の登場、同志社大教授・佐伯順子先生。
何と、今、研究で、英国滞在中らしい。
そう言えば、大学院修了直後に、語学研修で、イギリスに短期滞在しておられたと聞く。

5月に行われた英国のチャールズ新国王の戴冠(たいかん)式は、日本の新聞を含め国際的に注視された。筆者は今年4月から研究のため英ケンブリッジに滞在しているが、地元の商店にも、戴冠式が近づくにつれ新国王の記念商品や英国旗のユニオンジャックが増え、テレビ報道も王室に近い識者らの座談を組んだ。
 
現地の雑誌、新聞の特集は、過去の戴冠式、新国王夫妻の人となり、今回の戴冠の意義に焦点をあて、新国王の新機軸として多様性が打ち出されたことを報じていた。実際、戴冠式には多様な宗教の聖職者、女性の参画など新方針を反映する演出がなされており、翌日の祝賀コンサートも含めてテレビ中継された。
 
英国で初めてテレビ放送された女王エリザベス2世の戴冠式では、王室の姿が市民の目にふれることで、戦後の疲弊した英国の人々に一体感と勇気を与えたといわれる。日本でも昭和34年の皇太子ご成婚がテレビ普及の契機となったように、王室、皇室の冠婚葬祭は、メディアイベントという側面をぬきに語ることはできない。

今回、英国内向け雑誌では、新国王夫妻の写真が多く掲載され、新王妃とともに新たな王室の存在感を示そうとする、英王室のメディア戦略が感じられた。ところが外国人を意識する一般の土産物屋には、新国王単独か、エリザベス2世、ダイアナ元妃といった人気の人物にあやかる王室関連商品ばかりが目につき、戦略が必ずしも成功しているというわけではない。

また、英国の新聞は祝賀一辺倒ではなく、王室と奴隷貿易の関係や王室の財宝管理に関する問題提起もあった。
王室の存続に関して公共放送BBCが行った調査によれば、若い世代ほど、君主制の維持よりも、選挙で選ばれた者が国の代表となるべきだとの意見が増える傾向にあり、英国における王室像は一つの過渡期を迎えているようだ。

現代の英王室は政治に直接関わらないが、その動向に関する報道は極めて多い。現地でも日本と同様にファッションや家族関係は常に注目されるが、今回の戴冠式は多面的な角度からの報道がなされた点で、王室に関する社会的議論の高まりがあった。日本のメディアも、英王室が歴史的反省のうえにたって奴隷貿易研究を支援することを発表したことを報じる(「チャールズ国王 王室の威信と英連邦の維持へ本格船出」5月6日産経ニュース)など、社会的な側面に光をあてた。

変わりつつある英王室については今後も引き続き、多面的な報道を期待したい。

◇【プロフィル】佐伯順子
さえき・じゅんこ 昭和36年、東京都生まれ。東京大大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。専門は比較文化。著書に「『色』と『愛』の比較文化史」など。

 
翻って日本は、、と思うと、自分は、お猪口をヘンな風に持ってお酒飲む人を、代表とは呼びたくないなあ、、、。