quiverの日記

アニメ、漫画、音楽

暗黒舞踏

1983年ごろ、瀬尾乃武先生の稽古を受けに池袋に行ったときに見たのだと思う。白塗りのいでたちで半裸の老人がくねくね踊っていた。もちろん仰天したのであるが、その気迫に圧倒された。何がなんだかわからなくて気持ち悪いのだけれどすごい。おそらく、大野一雄さんかあるいはそのお弟子さんだったのだろうと思うけれど今となっては確かめようがない。

その白塗りの舞踏に再び出逢ったのは2009年にドイツ行きのルフトハンザ機内で映画を見たときである。タイトルはKirschblüten – Hanamiという日本を舞台にした映画で、ドイツ人老夫婦の情愛を描いた感動篇である(ここに感想)。小津作品の影響を受けていて、老夫婦が息子夫婦の家を久しぶりに訪ねた際に、若家族たちからちょっと疎んじられるようすなどは東京物語そのもの。

ほらお前が子供の時に好きだったソーセージだぞ
いまどき、そんなの食べないよ

主人公の老妻の趣味というのが白塗りの前衛舞踊であり、どうやら日本由来のものらしい。それが、「暗黒舞踏」という、世界的に知られたパーフォーマンス(ドイツ語Butoh-Tanz)であることをつい最近知った。